理事長からのご挨拶
理事長就任のご挨拶

一般社団法人日本透析医学会 理事長
倉賀野 隆裕
(兵庫医科大学循環器・腎透析内科学)
倉賀野 隆裕
(兵庫医科大学循環器・腎透析内科学)
この度2026年6月18日に開催された一般社団法人日本透析医学会理事会において理事長に選任されました倉賀野隆裕でございます。
本学会は1968年に人工透析研究会として発足し、1985年に日本透析療法学会と改称、1993年には日本透析医学会、2012年には一般社団法人日本透析医学会と発展を遂げてきた歴史ある学会です。また2026年6月18日時点で本会の正会員は14345名(休会含む)、施設会員は4134、賛助会員は51で構成されている医学系学会の中でも大きな学会に成長しています。この様な歴史があり多くの会員によって構成される学会の理事長を拝命する事は、長年にわたり腎不全・透析医療に従事してきた私にとっては大変光栄な事であるとともに、身が引き締まる思いでございます。
本会は発足当時から、医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師・臨床栄養士・理学療法士と緊密に連携をとり発展してきた学会です。まさに多職種連携の先駆け的な学会であり、多くの職種の皆様に育てて頂いた学会と言っても過言ではありません。現在、透析医療を取り巻く環境は以前より複雑となり、多くの課題を抱えている事から、さらに密接かつ機能的な多職種による医療チームの構築が求められています。これからも多職種の皆様と今まで以上に力を合わせ、今後直面する多くの課題を乗り越えていけたらと考えています。
また、皆様もご存知の通り、腎代替療法は、歴史的にも洗練され成功した人工臓器であります。中でも日本の透析医療の質は、トップレベルで、日本の透析患者の生命予後は他国より良好であることから、世界に誇るべき医療技術の1つと考えています。現在の質が高い透析医療の提供や理想的な合併症の管理は、我々医療従事者の努力のみではなく、新規デバイスの開発や創薬にご尽力いただいた関連企業のご協力で実現が可能となっています。さらに医療経済的な問題も透析医療の高い質を維持するには重要な課題と考えています。透析医療は成熟期を迎えていると言われていますが、今後も本会は従来以上に産学官連携や透析医会の皆様との関連を強め、さらに質の高い透析医療を目指し、末期腎不全患者様に貢献できる環境作りに尽力したいと考えています。
本会の大きな目的は、学術的エビデンスを構築し、それらを皆様に活用して頂く事により、透析患者様をはじめとした末期腎不全患者様の生活の質の向上・合併症の予防・生命予後の改善に貢献する事にあります。今後も会員の皆様に多大なご協力を頂いている日本透析医学会の統計調査の結果を最大限活用し、診療・看護・介護に役立つ有益で質が高い情報を発信していく予定です。昨年に「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン」が発表され、これからは「慢性腎臓病に伴う貧血治療ガイドライン」・「末期腎不全患者の緩和ケアに関する提言」などが発表される予定となっています。超高齢化社会においては、健康寿命の延伸やご本人やご家族が望む人生を全うして頂く事がより求められてきます。これらガイドラインや提言が会員皆様の日常診療や看護・介護の一助となれば幸いです。
最後になりますが、透析患者様をはじめ末期腎不全患者様に貢献できるように会員の皆様と、こらからの学会のあり方を考えるとともに、日本腎臓学会・日本腹膜透析医学会・日本移植学会・日本臨床腎移植学会・日本腎臓リハビリテーション学会・日本腎不全看護学会・日本臨床工学技士会・日本腎臓病薬物療法学会などの関連学会と緊密に連携をとり、協調しながら本会の更なる発展に尽力する所存でございます。会員の皆様におかれましては本学会の活動や運営に対してご理解・ご協力・ご指導のほど何卒宜しくお願い申し上げます。
令和8年7月吉日

